故事・名言集
さ行
○塞翁が馬
人の世は禍・福の定めがなくて災いが福に変わり、福が災いとなるものであることのたとえ
○歳月人を待たず(光陰矢の如し〜類語)
年月は人の都合に関係なく過ぎ去り行くものである
○先んずれば人を制す
何事も人より早く手回しをすれば有利だし後手に回れば相手に先にやられてしまう
○酒に飲まれる(酒人を呑む〜類語)
酒を飲むと本心を失いがちで、気持ちが大きくなるということ
○酒は百薬の長
酒はどんな薬よりも親身によく効くということで、酒飲みにとって都合の良い言葉である。適量に飲めば心持ちよく眠りを覚える。
○砂上の楼閣
砂の上の建物は、容易に倒壊することから、基盤がしっかりしていないので、すぐに崩れそうなたとえ
○猿に烏帽子(史記より)(猿に冠〜類語)
猿に烏帽子をかぶせても柄にも合わないということで、その人に合った物が良いということ。
○猿も木から落ちる(准南子より)
木登り上手な猿でもたまには木から落ちることがある、その道の達人でも時には失敗することもある。
○去る者は追わず
去っていくものは決して引き止めない、自分から去ってゆく者はその人の思うがままにさせたほうが良い。
○三十にして立つ
孔子の言葉で十五歳で学問に志し、三十歳で一本立ちとなり、四〇歳で迷いがなくなり、五〇歳で天から与えられた使命を悟り、六〇歳で人の言葉を素直に聞けるようになり、七〇歳で自分の思うままに行っても行き過ぎがなくなった。
○三秋之思(一日千秋の思い〜類語)
百逢わなければ三ヶ月(又は三年)も逢わないような強い思慕のこと
○三寸の舌に五尺の身を亡ぼす
不用意な言葉が害となって身を滅ぼすようなことがあるから、よほど注意して口を慎んだほうが良い
○山中暦日なし
山の中にこもり世渡りの辛い世の中と縁を切って静かに暮らしていると月日の経つのも忘れてしまう
○沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり
人の運命には、浮き沈みがあり、不幸もあれば幸運もある。悪いことがあったところで、絶望するにはあたらない
○室に入りて矛を操(と)る
他人の家の中へ入り込み部屋のなかから矛を取り出して、その主人に乱暴することで、相手の主張する意見に対し発憤し、相手を攻撃すること
○渋柿は渋柿として役に立つ(武田信玄)
渋柿は渋柿として役に立つ. 渋柿を切って甘柿を継ぐのは小心者のすることだ。・・私の解釈は、それぞれの役割にあった上手な使い方でそれを上手く見極め役に立てる
○霜を履みて堅氷至る
霜が降りる頃になると氷の張る冬が訪れる。どんなことでも兆しが見えたらやがて大きなものに発展するから用心したほうが良い
○終身善をなし一言即ち之を破る(孔子家語より)
一生かかって良い行いをしてきたのに、たった一言で全てを失ってしまう言行を慎むことである
○十読は一写に如かず
十回読むより一回写した方がよく覚えられると言う事で類語にも「読むより写せ」とある
○春眠暁を覚えず
春の夜は短く、又寝心地が良いので、夜が明けたのも解らないでぐっすりと眠り込んでしまう
○小事を軽んず勿(なか)れ
人は誰でも小さな事柄には気を許しがちだから、それを粗末にすると大きな失敗を招くことがあるから気をつけたほうが良い
○少年老い易く学成り難し
まだ若いと思っているうちに年老いてしまい、気がついた時にはすでに遅い。若いうちに勉強せよということ
○少年よ大志を抱け(クラーク博士)
若者にとって、ためになる言葉で何をするにつけても大きな志を抱いて仕事にあたれということ
○小利を見れば即ち大事成らず(論語より)
小さな利益に目を奪われていると大きな事業に成功できない
○書三たび写せば魯も魚となる(抱朴子より)
字を二度三度写していると魯の字を魚と間違って写すようになる
○知らざるを知らずとせよ是れ知るなり(論語より)
自分の知らないことは知らないと答えた方が良い。それが本当に知ると言う事になる
○知る者は言わずいうものは知らず(老子より)
すべてのことを知り尽くしているものはあまり喋らない、しゃべる者は物事をよく知らない
○汁を吸うても同罪
悪い事に少しでも関係すれば同罪とみなされる。その人と同じ汁を吸えば同じ汁を飲んだということである
○死を知りて避けざるは勇なり
死ぬことを自分で解っていても勇気を持って自分の志をしっかり抱いていることが本当の勇気だ
○人生朝露の如し(漢書より)
日がさすと朝露が消えてゆくように人生は儚いもので、生きてゆく人間には愛や憎しみで苦しんでいるのが人間である
○死んで花実が咲くものか
枯れた草木には花も咲かず、実もならない。同様に、人間も死んでしまえばおしまいだ
○人生は勤むるに在り
人生は働くことに意義があり努力すれば必ず目的を果たすことができる
○水鏡私無し(三国志より)
水と鏡は物の姿をありのままに写してくれる、水と鏡は正直でいずれに写る姿も悪いと言って怒る者もいない
○墨に近付けば黒し朱に交われば赤し
人は交わる友によって良くも悪くもなる。悪い人と交わると自然に品位・性格が悪くなる事の例え
○すべての道はローマに通ず
方法は違っていても行きつく目的は同じである
○速やかにせんと欲するなかれ
焦ってはいけないと言う事で小さな利益に目を奪わるなと言う事
○精神一到何事か成らざらん
心を込めて一生懸命に頑張ればどんな事でも出来ない事はない、やる気を起こせば道は開ける
○聖人は外より内を知る(准南子より)
聖人はうわべだけを見て隠れた心の内まで見透すことが出来る
○生は奇なり死は帰なり
人がこの世に生きているのは仮に身を寄せていることであり、死ぬことは天地に帰るということだということ
○性は相近し習えば相遠からず(孔子の言葉)
人は生まれつきの素質には差はたいしてない、後の習わしにより互いに遠く離れるものである
○清風に故人来る
涼しい風が吹いてくると、まるで旧友が訪ねてきてくれたかのように、楽しいということ
○清白を子孫に遺す
心が清くて自分の利益を望むよくがなく、その潔白さを子孫に残すということ
○席暖かなうちに暇あらず
一つの事に落ち着いている暇がない程忙しいことのたとえ。孔子は遊説中忙しかった
○世間の好物は堅牢ならず
世の中で結構なものだと言われている物はほとんど丈夫でないという事で、良いことは長続きしないという事の例え
○銭ある時は鬼をも使う(地獄の沙汰も金次第・金があれば馬鹿も旦那〜類語)
金の力の大なることを言い、金さえあれば何にでもどんな風にでも使うことが出来る。
○銭は足なくして走る
銭は足がないが知らぬうちに走り消えてしまう、使い道の早いことを言う
○善悪は人に非ず自らの心にあり
善悪、それはその人が善人だったり悪人だったりする訳でなく、己の心次第で相手が善とも悪ともなる
○善悪の報いは影の形に従うが如し(唐書より)
善悪の行いに対する報いは影が形となってそのまま表面に現れてくるから逃れることは難しい
○善悪は友を見よ
その人がどのような人であるか知ろうとするならば、その友を見れば善人か悪人かよくわかると言う事
○前事の忘れざるは後事の師なり
以前の事を忘れないで覚えているならば、その時の経験を後の手本とすることだ
○善書は紙筆を選ばず(弘法は筆を選ばず〜類語)
書に上達している者は筆や紙の良い悪いは問題にせず、どんな筆や紙でも上手に書く
○船頭多くして船山へ上る
船頭が多くいて違う指示をすると、船が山へ上るようなとんでもないことが起こる。指示をするものが何人もいて、方針の統一がとれず、物事が進行しないたとえ
○善に従うこと流るるが如し
良いことだとすぐ急げで、良いとわかればすぐにそれに従うという事
○千人心を同じうすれば則ち千人の力を得(う)
大勢の人が同じ気持ちとなって協力すれば千人力に値する力を得ると言う事
○千人の指差すところ病なくして死す(漢書より)
大勢の人に後ろ指をさされるような事があれば、病気にかかる事なく、その人たちの思いで死ぬ
○善人は能く盡言(じんげん)を受く
善人は人の忠告を喜んで受けいれる。盡言は尽言で遠慮のない戒めの言葉という意味
○善のみを以て宝となす
世の中の人は金や宝石を宝と思うが本当の宝は善だと言う事
○千里眼
遠く又は先の事まで見通す力を持ち、人の心を探り当てる能力を持っている人のことを言う
○善を為す最も楽し(後漢書より)
人の為になるような良い事をするのが最も楽しいと言う事
○創業は易く守成は難し
仕事を始めるよりその仕事を失敗しないよう維持していくほうが一層難しいということ
○惻隠之心は仁の端なり
気の毒な様子を見て哀れみや悲しみを思いなんとかしようと言う気持ちになる事が思いやり始めである
○俗の欲する所因って之を予(あた)う
人々が欲するものは与えてあげるという事で希望があればそれに答えてやるということ
○備えあれば患い無し
常時頃からいざという時の事を思い心掛けている人は、とっさの場合でも少しの心配もないという事
○其の一を知りて其ノ二を知らず(荘子より)
見識があるように見せかける事でほんの一部だけ解っていても全部はわからないと言う事
○其の國に入れば其の俗に従う(准南子より)
新しい国に行ったらその国の風俗習慣を見習い従う事が良い
○それでも地球は動いている
ガリレオが地動説をとなえた為、拷問された。その苦しい時にかすかに言った言葉