大震災震源域を掘削へ探査船「ちきゅう」公開

巨大地震 世界最長の8000メートルを掘削し、東日本大震災の震源断層調査を行う地球深部探査船「ちきゅう」が26日、報道陣に公開された 東日本大震災の震源域の掘削調査を前に、報道陣に公開された地球深部探査船ちきゅう(静岡市の清水港で)=佐々木紀明撮影

 東日本大震災をもたらした巨大地震の震源域で4〜5月に実施する海底掘削調査を前に、掘削を行う海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が26日、停泊中の清水港(静岡市)で報道陣に公開された。

 調査地点は、宮城県・牡鹿半島から220キロ・メートル沖合の日本海溝付近の海底(水深6910メートル)。巨大地震を起こした陸と海のプレート(地球を覆う岩板)境界を貫き、海底下1000メートルまで掘削する。船から下ろすドリルパイプの総延長は約8000メートルで、科学掘削では世界最長。地震後間もない海底の震源断層を、世界で初めて掘削調査する。

 調査地点付近では、海の太平洋プレートに対し陸のプレートが約50メートル滑り、巨大な地震と津波を生んだ。海底下850メートルのプレート境界では、地震で滑った際に発生した摩擦熱で温度が数百度上昇し、冷えてきた現在でも、そのうち1度程度は残っているとみられる。

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東日本大震災の震源域の掘削調査を前に、報道陣に公開された地球深部探査船ちきゅう

(静岡市の清水港で)=佐々木紀明撮影

巨大津波が発生した海域を調査する「ちきゅう」

(読売新聞社機から)=小林武仁撮影