橋下流「船中八策」

                                                           2012213

橋下徹・大坂市長がきのう13日(20122月)に開かれた 大阪維新の会の全体総会で、坂本龍馬になぞらえた「船中八策」なるものの概略を発表した。政権公約というのか、国政改革のための具体的な柱建てになるもので、なるほどもあれば、ええっ!もある。

並べてみると、(1)首相公選制 (2)年金積み立て&掛け捨て方式 (3)大阪都構想 (4)道州制 (5) 参議院の廃止 (6)TPP参加などだ。

橋下は首相公選制について、「自分たちのリーダーは自分たちで選ぶんだという基本はしっかりおさえて、これまでの選び方を変えないといけない」という。

年金掛け捨ては受給開始時に一定の資産がある人は支給がないというもので、これは別の「所得税を下げ消費税を上げ資産課税を強化」という策によって、貧富の差を緩和する狙いだ。これには当然、「60歳で資産があっても、8090まで生きるわけだから」と批判もある。

参院の廃止には憲法の改正が必要で、そう簡単にはいかない。民主党の輿石幹事長は「この問題で橋下氏と会うことはない」とにべもないが、維新の会の浅田均・大阪府議会議長は「いままでにない価値観を持って政治をやっていく。日本全体をリセットする必要を多くの有権者は考えていると思う」と話す。

注)船中八策(せんちゅうはっさく)は、幕末維新期、土佐藩脱藩志士の坂本龍馬が、慶応3年(1867年)に起草した新国家体制の基本方針、とされるものである。

伝えられる内容は以下のとおり。

一、天下ノ政権ヲ朝廷ニ奉還セシメ、政令宜シク朝廷ヨリ出ヅベキ事。
一、上下議政局ヲ設ケ、議員ヲ置キテ万機ヲ参賛セシメ、万機宜シク公議ニ決スベキ事。
一、有材ノ公卿諸侯及ビ天下ノ人材ヲ顧問ニ備ヘ官爵ヲ賜ヒ、宜シク従来有名無実ノ官     ヲ除クベキ事。
一、外国ノ交際広ク公議ヲ採リ、新ニ至当ノ規約ヲ立ツベキ事。
一、古来ノ律令ヲ折衷シ、新ニ無窮ノ大典ヲ撰定スベキ事。
一、海軍宜シク拡張スベキ事。
一、御親兵ヲ置キ、帝都ヲ守衛セシムベキ事。
一、金銀物貨宜シク外国ト平均ノ法ヲ設クベキ事。

以上八策ハ方今天下ノ形勢ヲ察シ、之ヲ宇内万国ニ徴スルニ、之ヲ捨テ他ニ済時ノ急務アルナシ。苟モ此数策ヲ断行セバ、皇運ヲ挽回シ、国勢ヲ拡張シ、万国ト並行スルモ、亦敢テ難シトセズ。伏テ願クハ公明正大ノ道理ニ基キ、一大英断ヲ以テ天下ト更始一新セン。