生活保護で大ハシャギ 世耕議員も同じ穴のムジナ
2012年6月1日
〈彼の返納表明で「生活保護の前にまずは家族による扶養」という常識が浸透することを期待します〉
早速、ツイッターにこんなコメントを書き込んでいた。お笑いコンビ「次長課長」の河本準一の謝罪会見を受けた自民党の世耕弘成参院議員の反応だ。
この問題で、世耕は片山さつき議員と一緒に大騒ぎ。「数千万円の収入があるのに親の面倒を見ないのはおかしい」「過去に遡って返金すべきだ」などと吊るし上げた。ツイッターのコメントは、「返納はオレたちの手柄」と言いたげだ。
もちろん、河本にモラル上の問題はあるにせよ、世耕は、まず自分の身を省みるべきじゃないのか。「税金ドロボー」という意味では、同じ穴のムジナだ。
今は会期中だが、国会で動いているのは衆院の「社会保障と税の一体改革」特別委員会だけ。参議院なんてナーンもしていない。ここ1カ月、参院本会議は一度も開かれていないのだ。「ヒマだから習い事でも始めようか」と漏らす議員もいるほどである。
それでも、国会会期中、人件費や経費などを合わせると、議員1人当たり1日約20万円、衆参750人分で1日約1億5000万円のカネがかかっている。河本のギャグじゃないが、「オマエに支払う税金はねえ!」と言いたくなる。
世耕らにも、働かざるもの食うべからずという「常識の浸透」を期待したい。
(日刊ゲンダイ2012年5月28日掲載)
歳費を調査
◇
事務所も宿舎もタダ同然。電話代も交通費も大半は税金で賄う ◇
(あるHPより)
◆年収
「歳費」は毎月10日払いの月給制。月額123万7500円×12カ月で、148
5万円。さらにボーナスに当たる期末手当が6月と12月の年2回で592万143
7円。合計2077万1437円が支給される。市議や県議と違い日割り計算ではな
いので、前職は10月分まで、現職は11月分が全額もらえる。
◆出勤日
国会法で決まっている国会日程は通常国会の150日間。これは土日も含むため、
“実働出勤日数”は約100日。例年50〜70日前後の臨時国会分を加算しても、
実働日数は大体150日ほどだ。
◆手当
委員会の委員長の日当6000円は国会会期中、毎日カウント。土日もつくため、
両院で23ある各委員会委員長の日当総額は百数十万円に上る。月額100万円の文
書通信交通費(電話代や交通費などに充てる)、月額65万円の立法事務費(法案立
案の資料購入などに使う)は全議員に支給される。もちろん給与とは別途支給。合計
1980万円は非課税扱い。
◆交通費
「各議員は、
(1)グリーン車OKのJR全線無料パス、
(2)(1)+東京と選挙区間の航空券往復3回分、
(3)東京〜選挙区間の航空券往復4回分、
の3種類から選択できるシステム。JRパスは3月末に翌年度1年分、航空券は1カ
月ごとの支給。僕の場合は(1)。選挙区をグリーン車で月間6往復すると30万円
近くかかる計算なので、助かります」(与党議員)
バス優待乗車証、鉄道・軌道乗車証ももらえて、バスと地下鉄は事実上、乗り放題
だ。
◆議員会館
衆議院2棟、参議院1棟が、国会の裏にデンと立つ。館内の事務所の広さは約40
平方メートルで家賃はタダ。机やイス、湯飲みなどの家具がつく上、2本ある外線電
話の基本料金もタダ。23区内なら通話料金も無料。
◆宿舎
衆院は赤坂、高輪、九段、青山の4つ、参院は清水谷、麹町の2つ。いずれも駅か
ら数分の超一等地にある。
例えば築40年の赤坂宿舎は46平方メートル、2DKで、家賃はたったの1万2
650円。高輪(築22年)や九段(築30年)は3LDK、約80平方メートルで
約5万円。いずれも「周辺賃貸マンションの10分の1以下」(不動産業者)という
激安ぶり。
来年8月からは新赤坂宿舎の建設工事が始まる。地上28階、300戸が入居する
巨大宿舎だ。
◆年金
国会議員互助年金は月10万3000円(期末手当は3万円割り増し)の掛け金で、
通算在職年数10年で受給資格が発生。拘置中でも議員辞職しなければ、在職年数に
カウントされ、65歳以上の退職議員に支払われる。その最低給付額でも、妻の基礎
年金を含めると月額58万3000円に上る。40年加入の厚生年金モデルケースで
は、65歳の給付額は2人でわずか月23万8000円。あまりの優遇ぶりで、議員
年金財政はパンク寸前。血税負担率は70%に達している。
◆公用車
衆参両院が所有する公用車は全部で230台。大臣や各委員会の委員長に優先的に
“支給”される。お抱え運転手付きで、料金はタダ。その他はヒラ議員が両院の自動
車課に予約して使う。こちらは利用時間に応じて料金が発生するが、「タクシーより
安い」(前出の与党議員)ため、常に予約でいっぱいだとか。ちなみに運転手の年俸
は約580万円。衆参両院合わせて現在約250人で、年間約15億円の人件費がか
かる計算だ。
◆海外視察
衆参合わせて毎年約200人が旅立つ。国家公務員旅行法により、飛行機はファー
ストクラス。ホテル代、交通費など旅費として衆院議員1人190万円、参院議員1
80万円が国費で賄われる。衆院だけでも毎年3億円前後の税金が視察費に消える。
これらのカネに加え、3人分の秘書給与約2000万円や政党助成金の頭割り分約
4000万円などを含めると議員1人の維持費は安く見積もっても1億円は下らない
勘定。「年収1億」のためなら選挙で頭を下げるくらい“屁のカッパ”ってことか。
(参考)衆議院:480名 参議院:242名
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