(1)有料老人ホーム
老人福祉法第29条で定められています。  「老人を入所させ、入浴、排泄、若しくは食事の介護、食事の提供又はその他日常生活上必要な便宜であって厚生労働省で定めるものの供与をする事業を行うものであって、老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活援助事業を行う住居その他厚生労働省で定める施設ではないもの」
有料老人ホームは施設の設置に規制がなく、民間企業が参入し3類型に分類されます。
介護付有料老人ホーム
住宅型有料老人ホーム
健康型有料老人ホーム
最近では入居一時金が低額なホームから、高級志向のホームまで入居者のニーズに合わせてさまざまな有料老人ホームが開発されています。
(2)特別養護老人ホーム 略して「特養」
特別養護老人ホームは、要介護1以上の方が利用できる、長期入所生活施設です。
設置運営は地方公共団体または社会福祉法人に限られます。公費の援助を受ける点も特徴です。
入所率は全国で約99%、入所の待機期間が2?3年の特別養護老人ホームが多い。
特別養護老人ホームのうち、都道府県知事の指定を受けた施設は、指定介護老人福祉施設となります。
一般的には、「特別養護老人ホーム」と「指定介護老人福祉施設」は、同一視されることが多いようです。
特別養護老人ホームは、「特養」と省略されることもあります。
(3)介護老人保健施設 略して「老健」
介護老人保健施設は、「介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準」第1条の基本方針で、次のように定められています。
 
「介護老人保健施設は、施設サービス計画に基づいて、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするとともに、その者の居宅における生活への復帰を目指すものでなければならない」
介護老人保健施設は、医療機関と家庭とを結ぶ「家庭復帰施設」で、リハビリテーションに力を注いでいます。
特別養護老人ホームが長期入所の生活施設であるのに対して、 介護老人保健施設は、家庭復帰を目的とした一時的に入所する施設です。
3ヶ月ごとに施設サービス計画(ケアプラン)を作成
介護老人保健施設は、「老健」と省略されることもあります。
介護保険の要介護認定で要支援を除いた、要介護1〜5と認定された要介護者で、 寝たきりや認知症などで日常生活全般にわたって常時介護を必要とし、居宅(自宅)での生活や介護が困難な高齢者の方などを対象とした施設です。
(4) 介護療養型医療施設
介護療養型医療施設の基本方針は、次のように定められています。
 
「長期にわたる療養を必要とする要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話及び機能訓練その他の必要な医療を行うことにより、その者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするものでなければならない」
介護療養型医療施設は、急性疾患の回復期および慢性疾患を有する高齢者が利用することが一般的です。
今後、介護保険と医療保険の機能分担の明確化等の観点から、介護療養型医療施設を廃止にする方針を厚生労働省が明らかにしています。
(5)グループホーム
グループホームの正式名称は、「認知症対応型共同生活介護」です。
認知症対応型共同生活介護は、介護保険法第7条第15項で定められています。
 
「要介護者であって、認知症の状態であるものについて、その共同生活を営む べき住居において、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うこと」
グループホームは、認知症の高齢者が、1ユニット5人?9人で共同生活を営む住居です。
スウェーデンなど北欧諸国で、小規模、少人数の生活環境を提供する試みから、大規模な施設では見られなかった認知症高齢者の潜在力が引き出されることがわかり、グループホームの設立が促進されました。
(6) ケアハウス
ケアハウスとは、自炊ができない程度の身体機能の低下がある高齢者や、在宅で独立して生活するには不安のある、家族の援助が困難な状態にある高齢者が入所できる契約型の施設です。
ケアハウスでは、食事や入浴など生活支援サービスを受けることはできますが、 介護サービスが必要になった場合には、介護保険の居宅サービスを利用することが一般的です。