平安遷都794年の南海地震か、古文書で確認

 平安京への遷都が行われた794年(延暦13年)に南海地震とみられる未知の巨大地震が起きていたことが、古文書の調査でわかった。

 岡山大の今津勝紀准教授(日本古代史)が17日、発表した。南海地震は100年程度の周期で起きているとされるが、この地震の前後約200年間の記録はこれまでに見つかっておらず、その「空白期間」を埋める地震だとしている。

 今津准教授によると、日本の正史の一つ「日本後紀」などの内容を抜粋した「日本紀略」(平安時代に編纂)に、延暦13年7月10日、「宮中並びに京畿官舎及び人家震う。或いは震死する者あり」との記述があった。その2年後には、四国の海沿いを巡る古代の街道「南海道」を廃止し、後に新たに道を設けたと記されていた。

 今津准教授は、街道の廃止は、巨大地震による大津波被害のためだったとし、その震源域が太平洋側と推定されることから、南海地震だったと判断した。

2012417日)