【原発再稼動】大飯3号機1日起動 「原発ゼロ」終了へ

2012630

関西電力は1日、大飯原子力発電所3号機(福井県おおい町)の再稼働に向け、原子炉を起動する。昨年3月の東京電力福島第1原発事故後、国内の原発が運転を再開するのは初めてで、5月5日から続く「稼働原発ゼロ」状態が終了する。2日には関電管内で節電要請がスタートするが、安定稼働に入るまでの間はトラブルが生じやすく、関電は慎重に作業を進める。

 経済産業省の牧野聖修副大臣の立ち会いのもと、関電は1日午後9時ごろ、制御棒の引き抜き作業を開始する。2日早朝には核分裂が連鎖的に持続する臨界に到達。順調なら4日に送電を始め、8日にもフル稼働する。約1カ月間の調整運転を経て、8月4日から営業運転を始める予定だ。

 大飯3号機のフル稼働により、関西の電力不足は14・9%から9・2%に縮小する見込み。また、準備作業を進める大飯4号機は早ければ17日に起動し、24日にフル出力運転、8月末に営業運転となる。

 3号機の準備作業中は、監視設備で異常を示す警報が作動するなどトラブルも相次いだ。気温上昇で電力需要が高まる中、再稼働は不可欠だけに、関電は安全確保に万全を期す構えだ。

原発依存度3案決まる 政府、今夏に絞り込み

2012630

政府は29日、関係閣僚によるエネルギー・環境会議を開き、2030年の電力をどうするかを定めるため、三つの選択肢を決めた。30年の原発の割合を「0%」「15%」「20〜25%」の三つにして、それぞれ使用済み燃料をどう扱うか、温室効果ガスの排出量はどうなるかを示した。国民から幅広い意見を聞いたうえで、8月末に今後のエネルギー政策を定める。

 原発の割合を減らすと、発電に使った後の使用済み燃料の政策も見直さなければならない。今までは、すべての使用済み燃料を再び使えるように処理し、再利用する政策をとってきた。

 しかし、0%の場合は再利用せず、地中に埋めて処分する政策に転換する。一方、15%と20〜25%では、再利用と埋めて処分の両方を残し、30年の原発の割合を決めた後に考えることにして、判断を先送りした。

原発再稼働反対に2万人 官邸前で抗議行動

2012630

 関西電力大飯原発3号機(福井県)の原子炉起動を7月1日に控え、原発再稼働に反対する抗議行動が29日、東京・永田町の首相官邸周辺であった。短文投稿サイトのツイッターやフェイスブックなどの呼びかけで脱原発グループを中心に多くの人が集まり、警察関係者によると、参加者はこれまでで最大規模の2万人弱に上ったとみられる。大きな混乱はなかった。

【原発再稼働】大飯原発前道路の封鎖続く 市民グループが再稼働に抗議

201271

 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働に抗議し、6月30日から原発につながる道路を車や鎖で封鎖した市民グループは、3号機の原子炉起動が予定される1日朝になっても付近にとどまり、封鎖を続けた。

 作業員が敷地に出入りできない状況が続くが、関電は「必要な人員は確保しており、起動に影響はない」としている。

 グループは、十数台の車を並べるなどして、道路を通行できなくした。深夜から未明にかけ太鼓などを打ち鳴らして「再稼働反対」のシュプレヒコールを続け、敷地の中に入らないよう制止する関電社員や警官隊とにらみ合い、小競り合いになる場面もあった。けが人はなかった。

 おおい町では30日、役場周辺でデモ行進をするなど、全国から集まった市民が再稼働に抗議。一部が原発前に移動した。